鉄筋工事とは?
鉄筋工事 とは、建築や土木工事において、鉄筋(補強材)を組み立てる工事 のことです。
建物や橋、道路、ダムなどのコンクリート構造物の強度を確保するために不可欠な工事です。
建設業法において、鉄筋工事は 「鉄筋工事業」 に分類される専門工事の一つです。
1. 建設業法での定義
📖 「鉄筋工事業」とは?
➡ 「棒鋼または異形棒鋼を加工し、建築物または工作物に組み立てる工事」
(建設業法施行令第2条より)
2. 鉄筋工事の具体的な作業内容
🔧 鉄筋工事の流れ
① 加工(鉄筋の準備)
✅ 設計図に基づいて鉄筋を切断・曲げ加工
✅ 加工場または現場での鉄筋加工
② 組み立て(配筋)
✅ 加工した鉄筋を現場で組み立て(配筋)
✅ 結束線(番線)で鉄筋を固定
③ 溶接・結束
✅ 強度が必要な部分では、鉄筋を溶接して接合
✅ 結束線を使って鉄筋を固定し、ズレを防止
④ コンクリート打設前のチェック
✅ 配筋検査を実施し、設計図通りに施工されているか確認
3. 鉄筋工事が使われる構造物
🏗 鉄筋工事が必要な主な建築・土木工事
✅ 建築工事(鉄筋コンクリート造)
- マンション・ビル・住宅の基礎・柱・梁
- 商業施設・工場の鉄筋構造
✅ 土木工事(鉄筋コンクリート構造)
- 橋梁・高速道路の橋脚
- ダム・トンネルの補強
- 擁壁(ようへき)・基礎工事
4. 鉄筋工事業の許可が必要なケース
🚧 「500万円以上の鉄筋工事」を請け負う場合、建設業許可が必要 です。
📌 許可取得の主な要件
✅ 経営業務の管理責任者がいること(過去に建設業での経営経験がある)
✅ 専任技術者を配置すること
- 1級または2級鉄筋施工技能士
- 1級または2級建築施工管理技士(躯体工事)
- 1級または2級土木施工管理技士
- 10年以上の実務経験
✅ 500万円以上の資本または預金証明があること
5. 関連する建設業種との違い
業種名 | 主な工事内容 | 鉄筋工事業との違い |
---|---|---|
鉄筋工事業 | 鉄筋の加工・組立・結束 | 鉄筋そのものの施工を行う |
型枠工事業 | コンクリートを流し込むための型枠を作る | 鉄筋の外側の枠組みを作る |
コンクリート工事業 | コンクリート打設・仕上げ | 鉄筋の後にコンクリートを流し込む |
鳶・土工工事業 | 足場・基礎工事・掘削 | 鉄筋を組む前の作業を担当 |
6. まとめ
✅ 鉄筋工事は、建物や橋などのコンクリート構造物の強度を確保する工事。
✅ 「鉄筋工事業」 として、建設業許可(500万円以上の工事で必要)が定められている。
✅ 専任技術者には「鉄筋施工技能士」や「建築施工管理技士(躯体)」が必要。
✅ 型枠工事やコンクリート工事とは区別される。
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